孤独死をきっかけに、特に高齢者の単身世帯が福祉やコミュニティから取り残されている問題がクローズアップされている。しかし、この問題は高齢者だけのことではない。若年者の単身世帯についても、貧困など重い問題を抱えている。そして、現在若年者の単身世帯も今後高齢者となり、一層単身世帯が増える状況に置かれている。また、これは日本だけの特有の出来事ではなく、他の先進国も同様な課題を背負っている。しかし、我が国の高齢化率の進展は何処の国よりも超スピードで進んでおり、世界の何処よりも、将来に備えた真剣な議論とスピード感を持った政策の実施が要求されている。しかし、現状は目先の課題に汲々としている。「自助」の充実一つとってみても、非正規社員の処遇改善は同一労働同一賃金という原則から、改善されなくてはならない問題である。しかし、現状で賃金を上げることは、特に中小企業にとって、不可能に近い。ならば、何らかの政策的な支援が必要であり、それには財源がいるのだ。職業訓練にしても同様である。「共助」「公助」においてはなおさらである。将来を見据えた、真剣な議論を早急に形にしなければ、希望は遠のくばかりだ。そのような観点から、藤森克彦著のこの本は様々な示唆を与えてくれる。