二十七番(壹岐 和郎君)登壇

 公明党の壹岐和郎でございます。早速、通告に従い一般質問をさせていただきます。
 福岡県工賃向上計画について質問します。障害者施設で働く障害者の工賃引き上げについては、平成十九年二月にまとめられた成長力底上げ戦略の中で、福祉から雇用への基本的な考え方のもと、さまざまな施策を通して取り組んできたところです。特に平成十九年度から平成二十三年度までの五年間で、工賃倍増を目指した工賃倍増五か年計画を策定し、本県も同様に取り組んでまいりました。その取り組みの過程で、まごころ製品が生まれ、本県の販売促進等諸施策もあり、徐々に県民にも認識が広がりつつあります。本県の工賃については、平成十八年度が一万一千六百六十四円に対し、平成二十三年度が一万二千七百八十四円と千百二十円、率にして九・六%の増加となり、一定の成果がありました。平成二十四年度から平成二十六年度までの三年間の取り組みとして、今回、福岡県工賃向上計画が平成二十四年十二月策定されました。この計画では、全国平均を上回ることが目標とされ、平成二十四年度から取り組みが始まったものです。八ページから成る同計画書を拝見し、気になることを何点か知事にお尋ねします。
 まず初めにお尋ねします。五年間の工賃倍増計画で取り組んだ成果と課題は何か。また、この五年間の取り組みがこの計画にどのように反映されているのかお尋ねします。
 先日、北九州市内の障害者施設にお伺いしたところ、二十三年度に五年間の工賃倍増計画が終了後に、同様な取り組みは継続されないのでは、と思っていたところ、今回の計画が始まることを最近知らされたとの話がありました。また、各施設の規模や取り扱い商品、サービス、職員の意識など千差万別であり、施設にとっても工賃アップはハードルの高い課題です。このような観点からも、施設の取り組みいかんにかかわっているこのような事業については、アンケート調査や現場へ出向くことにより、現場の問題点などをできるだけ詳細に把握していくことが重要と考えます。この計画を策定するに当たり、工賃向上へ向けてどのような方法で県内の障害者施設との意見集約や課題などの調査を行い、この事業に生かされたのかお尋ねします。
 この計画書には、事業者の役割として、概要次のとおり記述があります。工賃の向上は、各事業所の就労支援に向けた強い意識や主体的な取り組みがあって初めて実現が可能となるものです。各事業所は工賃向上計画を作成し、その実現に向けて取り組みを進める必要がある。そのとおりと思います。各事業所の計画作成状況、各事業所の目標はどうなっているのかお尋ねします。
 また、向上計画を策定する段階からの指導や支援を行うことにより、より実現性の高い、モチベーションの上がる計画となると考えますが、この点に関する支援はどのようになっているのかお尋ねします。
 徳島県での調査では、工賃アップのために効果的であった取り組みは事業主、職員の意識改革、既存商品の見直し、新商品の開発、新規事業の創設などの項目が挙がっております。また、工賃アップが難しい理由については、生産能力に限界がある、生産コストの増加、企業的な経営感覚に乏しいなどが挙がっています。また、先日お伺いした事業所の話では、賃金向上といっても、今の人員では職業指導や生活支援が手いっぱいで、販路拡大などに力を注ぐ余裕はなく、障害の程度もさまざまであり、特に精神障害者については、作業所に出てくることが精いっぱいのときもあり、とても生産性を上げることなどはできないのが現状とのことです。ちなみに、この事業所の月額平均工賃は二万五千円であり、平均をかなり上回る実績を上げている事業所でございます。
 このような声に対し、以前の倍増計画実施時も専門家の派遣などを行ってきたと思いますが、十分な成果が上がっているとは思われません。これまでの実績並びに今回の向上計画では、その点に対してどのように対処していくのかお尋ねします。
 次に、平成二十五年四月に施行される障害者優先調達推進法についてお尋ねします。滋賀県や広島県などでは、この法律ができる前から、障害者施設からの優先発注の制度を設けております。本法が施行されることから、本県の賃金向上計画の中にも、県の役割として、拡大が期待される官公需に対応するための取り組みについても関係機関と連携し、その推進に努めるとあります。また、支援のための具体的方策の一番目に、障害者優先調達推進法の施行に伴い、県庁内に推進本部を設置し、事業所からの調達推進に取り組むとともに、市町村と連絡会議を設置し、市町村における事業所からの調達の促進を図るとなっております。詳細については今後、調達方針の策定等の作業を経て取り組まれることになりますが、現場からの心配は、例えば、障害福祉サービス事業所と障害者を多数雇用している一般企業が同列で競争するような仕組みでは、参入の機会は著しく損なわれてしまうのではないかということです。つまり、両者を分けて発注枠が設けられるのかお尋ねします。
 また、特に小規模な事業所では、対応可能な仕事が本当に出るのか、公平な共同受注の仕組みができればよいが、偏った受注になるのではないかなど、今回の推進法に期待しつつも、実効性があるのか心配しております。小規模な施設では、一つの事業所で対応できない仕事については共同受注の仕組みが必要です。現在は、各地域では個別のネットワークを通し共同受注を行っているグループもありますが、全県的に見ると、ほとんど一事業所で対応できる範囲で仕事を行っているのが現状のようです。現在、クローバープラザには、障害福祉サービス事業所の共同受注窓口として機能が期待される、福岡県セルプセンターが置かれていますが、まだこれからの感があります。共同受注については、本計画の中にも窓口設置の検討が掲げられていますが、共同受注についての本県のお考えをお聞かせください。
 最後に、お伺いした障害者施設の代表者の方が言われたことが印象的でした。このような施設は、本来なくなったほうがいいんです。障害者も社会の中に普通に受け入れられることが大事ですと話されておりました。そのとおりと思います。しかし、現実はまだまだです。すべての人が幸福度日本一を実感できる社会をつくるためにも、まずは工賃向上という施策を通して、障害者福祉をより充実させることが重要と考えますが、知事の所見をお伺いします。
 以上です。ありがとうございます。(拍手)

副議長(新村 雅彦君)

 小川知事。

知事(小川 洋君)登壇

 お答えを申し上げます。
 施設で働かれる障害者の工賃倍増計画の、これまでの成果と課題についてでございます。この計画は、平成十九年度から五カ年を計画期間といたしまして進めました。県では、障害福祉サービス事業所と共同いたしまして、食料品や工芸品など、障害者の方がおつくりになるまごころ製品の開発、販路開拓員による販路の拡大などに取り組んできたところでございます。障害者の皆さんの工賃は、平成十九年度の一万一千七百二十四円から二十三年度には一万二千七百八十四円と約千円アップしましたが、まごころ製品が十分にはまだ知れ渡ってないこと、魅力ある商品の開発がおくれている、そういった課題があると考えております。こうしたことから、次の計画では、多くの方々が訪れられますデパートの催事場での大規模販売会の開催による知名度の向上、また例えば、地場のお菓子メーカーなどの民間企業等の協力を得まして、売れる商品の開発などを進めていくことといたしております。
 県における新たな計画策定に当たっての障害福祉サービス事業所の意見集約等の方法と活用状況でございます。県における新たな計画の策定に先立ちまして、それぞれの事業所も工賃向上に向けまして、それぞれみずからの計画を策定いただいております。その目標を達成するためには何が課題なのか、またその際、県に何を支援してもらいたいのか、そういった点につきまして、さまざま御意見をいただいたところでございます。これらの御意見を踏まえまして、県では新たに経営、販売のノウハウにかかわる研修会の開催でありますとか、継続して大口の取引が見込まれますノベルティー商品の受注に向けた取り組みなど、そういった取り組みを計画に新たに加えたところでございます。
 次に、各事業所の工賃向上計画の作成状況と、その際の県の支援についてお尋ねがございました。対象は約三百弱ございます、事業所すべてで工賃向上計画が策定されております。工賃増の目標をそれぞれ見ますと、それぞれの状況に合わせまして現状維持というものから四倍増というものまでとなってございます。県の総合計画では、平成二十八年度までに全国平均の工賃を上回ろうと、それを目標に掲げております。このため各事業所に対しましては、この目標を達成するために必要な伸び率としては四・八%になる、そのことをお示しした上で、それぞれの事業所が抱えておられます現状、それについての分析、課題の抽出及び工賃増に向けた具体的な方策の検討について、いろいろ御指導を申し上げてきたところでございます。
 次に、販路開拓員の実績と今後の取り組みについてでございます。販路拡大に力を注ぐ余裕がない事業所を支援をしていくために、平成二十三年度は二十名の販路開拓員を雇用いたしまして、四十五事業所へ派遣をいたしました。その結果、約千百三十万円の売り上げ増につながりました。今年度は二十五名の販路開拓員を雇用いたしまして、六十六事業所へ派遣する、そういった取り組みを行うことといたしております。今後は、それぞれの販路開拓員が持っております販路や発注ニーズなどの情報を相互に共有できるような体制を整えるとともに、新たに開催をする大規模販売会や商談会に、この販路開拓員というものを参加させることによりまして、企業と事業所との間の効果的なマッチングを進めてまいります。
 次に、障害者優先調達推進法の施行に伴う優先調達の進め方についてでございます。障害者の経済的自立を進めるため、国や地方公共団体が率先して障害福祉サービス事業所等から物品や役務の調達を行うことを目的といたします障害者優先調達推進法が、この四月から施行をされます。法の施行に当たりまして、国においては基本方針を示すということになってございますが、現段階ではまだ示されておりません。国の基本方針が明らかになり次第、その内容をもとにしまして、県としての基本方針を策定、公表したいと考えております。現在県では、法律の施行に向けまして、まず各部局が平成二十三年度に障害福祉サービス事業所に発注した物品やサービスがどんなものがあったか、その調査を行いますとともに、供給側、つまり各事業所に対しましても、私ども自治体や公立学校等へ納入をされた物品、サービス、それに関連する調査を行っているところでございます。そういった調査を行っているところでございまして、県の基本方針の策定に当たりましては、その調査結果も活用してまいります。
 なお、御指摘のありました、比較的規模の小さな事業所に対する配慮でございますが、そのような事業所が受注につながりやすい環境というものを整備していくために、まず取り扱う製品やサービスの価格、納期などの情報を発信をいたしますポータルサイトを新たに設置をいたします。また、障害福祉サービス事業所で構成し、まごころ製品の販売拡大に取り組んでおります、議員も御指摘のありました福岡県セルプセンター、こういうのがございますが、そこと共同受注窓口の開設に向けて連携を強化していきたいと考えております。
 次に、工賃向上を通して障害者福祉をより充実させることの重要性についての私の所見というお尋ねでございました。障害者の皆さんが元気でそれぞれの個性を発揮され、地域で自立した生活をしていただけるような社会を実現していくためには、まずは経済的な安定といいますか、工賃の向上が重要であると考えております。県では、工賃向上のために、総合庁舎における毎月二回定期販売会、それから県主催のイベントでの販売、販路開拓員や製品改良員の施設への派遣など、まごころ製品の販売拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。今年度は、県内二十カ所で、まごころ製品巡回型のアンテナショップ、大規模小売店舗等で巡回アンテナショップというものをやってきております。加えて昨年十二月には、県庁地下売店での販売に加えまして、当県議会においても実施させていただきまして多大な御協力を賜りました。来年度、次の年ですが、さらなる工賃向上を目指しまして、大規模販売会、商談会、それからポータルサイトの開設等に取り組んでまいります。

副議長(新村 雅彦君)

 壹岐和郎君。

二十七番(壹岐 和郎君)登壇

 御答弁ありがとうございました。
 一件というか、要望というか、気づきといいますか、今回質問するに当たり、本県の計画書とともに、山口、広島、徳島、大分、愛知、兵庫、それぞれの向上計画の概要を見ました。ほとんどの計画書の中で、本県ではほとんど触れられていない倍増計画の評価並びに事業所からのアンケート調査結果、事業所側の課題などの記述がありました。当然、計画書のボリュームも、本県の八ページから約四十ページ、五十ページ、百ページにわたるものが多かった。そういう実情です。もちろん、詳しければいいということではありませんけれども、五年間事業を行った課題や評価、事業者の要望、これを盛り込もうとすれば、ある程度の分量になる、それは当然ではないかというふうに思います。そのような観点から、今回の事業執行に十分生かしてもらいたいと、そういう思いで質問させていただきました。
 倍増計画期間の全国平均は、平成十八年度から二十三年度まで千三百六十四円、全国平均の増加は千三百六十四円、率として一一・一%。本県の成果と比較して二百四十四円、率として一・五%全国平均に本県は及んでおりません。まず、ここからしっかり認識して、この事業に取り組むべきと考えております。
 目標設定についてですが、平成二十六年度に全国平均を上回る、そういうことですが、幸福度日本一を掲げる小川知事としては、少々遠慮がちといいますか、主体性に欠ける目標の立て方ではないかというふうに思います。目標の立て方を今さら言ってもいたし方ありませんが、この二年間しっかり実績を積み上げていただいて、将来にわたる工賃向上の流れをしっかりつくっていただきたいというふうに思います。特に、調達法が施行されることし、いろんな問題があるでしょうけれども、特に小規模事業者に資する仕組みに、県として取り組んでいただきたい。国の方針はまだ決まってないようですけれども、県として方針をつくっていただきたい、使い勝手のいいやつをつくっていただきたいというふうに思います。同時に、今後は社会福祉等の現場にも知事、積極的に足を運んでいただいて、障害のあるなしにかかわらず幸せを感じることができる福岡県をつくるために全力で取り組んでいただきたいことを、現場感覚を大事にされている知事に強く要望し、一般質問を終わります。
 ありがとうございました。